子育て・教育

幼稚園の先生からママへ

【先生からママへ】子どもと響き合うこころ 〜大人も昔はみ〜んな子どもだった〜

2017年06月09日(金)

福島県私立幼稚園・認定こども園連合会理事  石川文化幼稚園・クローバー保育園(石川町)園長・掛田昌克先生

 昨年のちょうど今頃、年中児だった息子が夕食中に突然「箸で食べる宣言」をしました。幼稚園で箸を使う友達の刺激を受けたらしく、本人もヤル気満々で、ぎこちなくも箸を使い始めました。
 それから、数日たっても、箸を落としたり、つかめなくてイライラしたりしながらも、けなげに挑戦している息子の姿を見て、私も一大決心! 実は私の箸の持ち方も…。

 そして、4歳8カ月と44歳11カ月の男2人の「正しい箸の持ち方」への挑戦が始まりました。当初は、空腹感に加えて思うように箸が使えないイライラ感で、「昔の『僕』に戻るお父さんを許してくれ…」とあきらめモードにもなりました。でも、2人でいろいろな長さや、素材の違う箸で持ちやすさを試したり、お互いにつかめるものの難易度を競い合ったりしていると、徐々に楽しくなっていき、何とか2人とも不自由ながらも食事をとれるようになりました。
 息子との箸の2人3脚生活では、息子の成長を間近に感じられたことはもちろん、楽しい会話ができたり、お互いに共感し、励まし合えたりとたくさんの学びと楽しい思い出を残すことができました。

 幼少期の子どもたちは、生活や遊びの中から好奇心・意欲を高め、実体験を通して、試行錯誤を繰り返しながらさまざまなことを学び、成長していきます。また、友達や周りの大人から助けられたり、励まされたり、応援されたりしながら人の中で生きる喜びを感じていきます。

 大人は、子どもが何かをできないと、「早く、早く」とせかしたり、イライラして怒ったりしがちですが、そんな時は、自分も昔は子どもだったこと、できないこともたくさんあったことを思い出してみてください。
 「子どもの気持ちに共感する」とは、自分が子どもだった頃の気持ちに戻り、子どもと対等に接し、大丈夫だよと心を寄せてあげながら、気持ちを響き合わせることだと思います。私たち大人が子どもたちに教えてあげられる最も大事なことは、「いろいろあるけれど、人生は楽しい!」ということです。

 子どもに挨拶をしてほしかったら、大人も元気に挨拶する。勉強してほしかったら、大人が楽しそうに学ぶ姿を見せる―。それが、人生の楽しさを伝えることではないでしょうか。
 そんなことを思いながら、次は園児たちと何に挑戦しようか? と楽しみにしている毎日です。
 
【幼稚園児とママの情報誌「あんふぁん」東北版・2017年 7月号に掲載】