月経前症候群 PMSを正しく理解しましょう
2010年07月07日(水)
月経前に精神的、身体的に不安定になることはありませんか?
生理の前に、体調や気分が悪くなったりしたことはありませんか?
乳房が張るような感じや下腹部痛、さらにイライラ怒りっぽくなったり、
悲しい気持ちになったり…。これら月経前に起こる体調不良・精神の
不調を「月経前症候群」(premenstrual syndrome)といいます。
月経前症候群(以下PMS)は、その名の通り月経前に起こる身体的あるいは精神的に不快な症状。
月経の3日〜10日前から症状が現れ、月経直前まで続きます。
その多くは月経開始後24時間以内に消失します。
原因とされる要素とは
PMSのはっきりとした原因は解明されていませんが、月経周期の
「黄体期」(排卵後の高温期)に起こることから、女性ホルモンの過不足が
ひとつの要因と推測されます。
それは「セロトニン」や「GABA」の低下に関連していると考えられています。
セロトニンやGABAは脳内の神経伝達物質のひとつで、主に精神を安定させて
くれる働きがあります。これが減少すると、イライラや不安、抑うつ的になるなど、
普段と違う精神状態になるといわれています。
PMSの主な症状
<精神的症状>
・気分の変化(イライラ)・怒りやすくなる(攻撃的)
・緊張や不安(神経過敏)・うつ・抑うつ感 ・無気力
・不眠 ・集中力の低下・調整力の低下・食欲や性欲の変化 など
<身体的症状>
・頭痛、頭重感・下腹部痛・下腹部膨満感・めまい
・のぼせ・体重増加・乳房痛 乳房過敏・むくみ
・肩こり、腰痛・皮膚障害(ニキビ、肌荒れなど)
・便秘や下痢(通常とは違う腸の働きの変化)
・おう吐、吐き気・口臭・脱力感 など
上記のほかPMSとして起こりうる症状は200ほどもあるといわれています。
いつもと変わらずに生活できる人もいれば、仕事や家庭生活に支障をきたす
ほど症状が重くなる人もいるなど、不快な症状の感じ方には個人差があります。
PMSを自覚することが大切
「家族に八つ当たりしてしまう」「仕事の効率が下がる」など、
PMSが原因でトラブルとなっても、月経が始まれば症状が消えるので
周りの人に理解されにくいのが悩みのタネ。まずは、自分自身がPMSを自覚し、
月経のある女性なら誰にでも起こりうるものであることを受け止めることが大切です。
<日常生活で気をつけたいこと>
●基礎体温をつける
月経周期を知ることでPMSのサイクルが把握できます
●食生活を見直す
身体を冷やさない食事を心がける(根菜、ショウガ等の使用を意識し
た献立)、低タンパク・高炭水化物の食事がおすすめ。
オリーブオイルやエゴマ油などに含まれるリノレン酸、豚肉・大豆など
に含まれるビタミンB6もPMS緩和に役立ちます。
●嗜好品に注意
カフェインやアルコールは控えめに。タバコは厳禁。
●体を動かす
ストレッチなど毎日少しずつでも、体を動かしましょう。
腹式で深呼吸も精神安定に効果的(息をはく長さは、吸う時の2倍を意識)。
●代替療法
ハーブやアロマでリラックス。ハーブサプリメントやハーブティーなどが
おすすめ。ゆったりとした時間を持つことも必要です。
<婦人科を受診する>
自分でコントロールができないほどつらいという場合には、婦人科を受診して
医師にゆっくり話を聞いてもらい、必要なら薬物療法による治療も。
PMSそのものに効くという薬はなく、つらい症状を和らげる、痛みを緩和するなど、
それぞれの症状に合わせて処方します。
婦人科を受診する際は、基礎体温表や症状を記録したものを持参することをおすすめします。
薬物療法
●低用量ピルを用いるホルモン療法 ●鎮痛剤(頭痛など)●プリモクリプチン(乳房痛)
●向精神薬・抗うつ薬、抗不安剤(精神安定剤)●漢方薬
医師と相談の上、適切な方法を見つけていきましょう。
自分の月経サイクルを知り、日常生活の工夫や上手な気分転換で、
PMSの不快な症状を緩和することは可能です。
また、家族やパートナーにPMSについて理解してもらうことも大切。
自分ひとりで抱え込まずに、どんな時にどうつらいのかを話しておくとよいでしょう。
取材協力/今泉産婦人科 今泉栄子先生
仙台市青葉区東照宮1-7-28 TEL022(234)3421
協力/宮城県医師会